ちゃま語
ある晴れた日の、駅前での出来事。
駅前のバスの停留所では、出発時間までまだ時間のあるバスが入り口を開けて待機していた。
バスの中には5、6人の客が乗っていて、その中にある母娘と、その母娘のご近所さんと思しきおばちゃんが乗っていた。娘は見たところ2、3歳。おばちゃんは60前後のようだ。
僕はそのバスに乗る予定も無く、ただその停留所の前を歩いて通り過ぎようとしていただけだったが、おばちゃんの不意を突く一言で足を止めた。
「○○ちゃん、こんにチワワ!!」
「何っ…!?どうみてもあの歳じゃおぼっちゃま君なんて知らないはず!?」
僕はその事象に興味を持ち、足を止めて様子を伺うことにした。
「○○ちゃん、こんにチワワ!!」
「自分でちゃま語を使うでは飽き足らず、あんな小さい子にまでちゃま語を刷り込むとは…。このおばちゃん、出来るッ!!」
バスの中では執拗におばちゃんが「こんにチワワ」を繰り返していたが、社内の人や母親は特に気にもせず、傍観していた。
「早く止めないと、あのおばちゃんがエスカレートして、ともだチ○コとか言い出しかねない。…いやむしろ、そのシチュエーションを見てみたいかも。」
「○○ちゃん、こんにチワワ!!」
執拗なまでにこんにチワワを繰り返すおばちゃん。もしかして頭のかわいそうなおばちゃんなのか、と思った瞬間。
「○○ちゃん、こ、ん、に、ち、わ、は?」
おばちゃんがゆっくりと喋ったとき、謎は解けた。おばちゃんが繰り返していた言葉は「○○ちゃん、こんにちわは?」だったようだ。
しかし発音の悪いおばちゃんだ。おぼっちゃま君を知っている人にはなかなか堪えるボディブローだった。
バスの扉は閉まり、停留所から出て行った。
~終わり~
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- また余計なことを閃いた(5)(2012.05.13)
- それは僕のです。(2012.05.08)
- また余計なことを閃いた(4)(2012.04.19)
- また余計なこと閃いた(3)(2012.04.14)
- また余計なことを閃いた(2)(2012.04.10)


最近のコメント